ビジネスモデルは個人戦から組織戦へ。組織変革を成功させるデータベース
ITコンサルティングからシステム構築・運用などITサービスを提供するNTTデータは、社内の情報流通を促すツールとしてNotionを一部組織で導入しています。この ”情報流通” という取り組みは、情報を社内に広く行き渡らせることだけが目的ではありません。組織力を高めるためのコラボレーション強化施策なのです。
2つのツールの情報をNotionに集約
日本のシステムインテグレーション業界を牽引するNTTデータに所属する「デジタルテクノロジーディレクターグループ」(以下、DTDグループ)は、情報共有と案件管理をNotionで行なっています。もともと情報共有も案件管理も他社のツールを、それぞれ1ツールずつ、計2ツールを利用していました。しかし、両ツールのサーバーライセンス版のサービス終了をきっかけに、Notionへの移行を決断。導入にあたり2つのツールの情報を、Notionに集約しました。Notionを選んだ理由はチャットツールとの相性の良さでした。NTTデータの社内ではチャットツールを介したコミュニケーションが活発化しているため、チャットツールとの親和性の高さはツール選定の重要な要素でした。また共同編集やページ公開のし易さに加え、滑らかな操作、といったNotionの ”使い心地” の良さも導入の決め手でした。
他社サービスからNotionへの情報移動は手間なく完了
“使い心地” の良いNotionの利用が決まったことで、“情報の引越し” が必要となります。まずは、他ツールにあった情報をエクスポートしたあとに圧縮。そして圧縮データをNotionにインポートすれば、 “情報の引越し” は終了し、手直しもありませんでした。インポート後に起こる、構成や文字ズレもなく、イメージは以前のままです。引越し作業の後は、”情報の整理整頓” を行いました。これまで使っていたツールでも情報の仕分けはできましたが、Notionなら仕分けに加え、情報の階層化も行えます。情報を振り分け、階層で管理することで、読み手が情報の取得をしやすくなったのです。
またNotion導入にあたり、セキュリティの強化も実施。このセキュリティ強化は、Notionの特徴である「他社サービスとの連携のしやすさ」を活かして行われました。具体的にはOktaを使ったSAML SSO設定です。セキュリティサービスのOktaとNotionを連携することで、Notionへのアクセスは指定の端末だけに限定されるため、機密情報にアクセスできない環境作りができました。
情報が溜まりやすい状態が出来上がった
Notionを使い始めたことでDTDグループの組織情報が、溜まりやすくなりました。その一例がチャットツールの情報です。チャットツールにはトレンドや案件情報など、毎日コメントが残されるものの、フロー情報として流れてしまっていました。ここで情報のストックがしやすいNotionが活躍します。Notionのワークスペースに、フロー情報をまとめたページを作成し、ストック。溜めた情報は、これから取り掛かる案件で参照できるようにしています。また、社内問い合わせ業務でも、Notionのストック情報が活用されています。たとえばツールの使い方を解説したページを作成しておくと、質問者は検索するだけで知りたい情報にたどり着けます。自分で情報を探せるということは、誰かに聞く必要がないため、誰かの業務時間を奪うことは無くなり、業務の効率化を進められるのです。
社内の情報流通が進めば、組織の体制強化ができる
DTDグループが情報のストックを強化している理由は、”情報流通” ができる組織文化を育みたいからです。コンサルタント案件を年間200件ほど抱えているものの、各案件の担当者は1人から3名です。そのため案件情報が担当者個人の中にだけ留まってしまいます。しかし、プロジェクトの過程で得たナレッジや成果物は、他の案件に活用されるべきです。そこで、案件の概要をまとめたデータベースをNotionに作成。ここにはクライアント情報やプロジェクトの中身がつぶさに書かれており、類似の案件があれば担当者はヒントを得られます。このデータベースは実務面でも活躍。進捗や優先度をタグで管理し、案件の現状を把握できました。さらに分析も実施。案件を分析することで、価値の高いサービスを提供できています。
情報流通を進めると、”組織力” のレベルアップが期待できます。個人のナレッジを組織に集約させ、他メンバーに共有する。すると、膨大なナレッジを得た個人のポテンシャルは倍増。強くなった個人がまた組織にナレッジを共有する・・・このエコシステムを生み出すことで、組織は強くなるのです。いまこそNotionで社内への情報流通を活性化させ、組織のポテンシャルを伸ばしましょう。