弦楽四重奏のためのアダージョとフーガ (2023)
– ISCM日本支部入選作品
弦楽四重奏 (約9分)
録音:
https://youtu.be/cSgeQDW9_Q4?si=NxzJoAWJooOvdgC-
楽譜: 閲覧・提供はリクエストに応じて

プログラムノート:
『アダージョとフーガ』は、私に作曲の道を開いてくださった作曲家、野田暉行先生へのオマージュです。 私の音楽人生は、何の面識もない先生に「作曲をしたい」という手紙を送ったことから始まりました。 無視されてもおかしくない一通の手紙を、先生は寛大に受け止めてくださいました。その慈愛に満ちた仕草が、私の芸術家としての方向性を形作ったのです。 この四重奏曲は、先生の音楽的精神を反映させ、静かな感謝と追悼を捧げる試みです。
作品は「アダージョ」と「フーガ」で構成されています。 アダージョは野田作品の特徴的な和声言語を引き継ぎ、フーガは先生自身の素材に由来する主題を用いています。 「喜びのないフーガほど退屈なものはない」という先生の言葉は、今も私の指針であり、作品の底流で通奏低音のように響き続けています。 本作では、対位法の長い伝統と向き合いながら、私自身の音楽美を探求し、二重フーガとして構成しました。
この作品の本質は「心から心へ」書かれたものであり、その響きが聴衆へ、そしてかつて私を信じてくださった先生のもとへ届くことを願っています。