製造業のデジタル化が作った協働意識
三菱重工はデジタルとビジネスの融合を進める部署として「デジタルイノベーション本部」を新設。同部署では社内業務のデジタル化を推進し、そのツールとしてNotionを活用。製造業のフラッグシップカンパニーがデジタル化を行った結果、意識改革が起こりました。
情報漏洩を防げるセキュリティ機能とEX向上を期待できるUI/UX
三菱重工は、幅広い事業領域を誇り、各地に事業会社を抱えています。数年前から各事業会社のデジタル化を進め、その推進を担っているのが、デジタルイノベーション本部DPI部(以下、DPI部)です。そして、三菱重工のデジタル化に先だち、DPI部ではデジタル化に最適な社内ツールとしてNotionを導入。導入の決め手となったのがセキュリティ機能です。シングルサインオン(SSO)の提供や、充実した監査機能。さらにチームスペースの機能を使うことで、適切なアクセス権を適切な人に割り振れます。これにより情報漏洩を防ぐことができます。また従業員体験(EX)の観点でも満足感を与えるNotion。「誰でも使えるツールであるため、EX向上を期待できます」と廣政さん。
導入がスムーズに進んだ3つの理由
DPI部におけるNotion導入はスムーズでした。その理由は3つあり、1つはNotionがユーザビリティの高いSaaSだったこと。ITスキルの有無を問わず使えたと語るのは西本さん。「私はもともと事務系の職種に就いており、ITスキルや知識があまりありませんでした。そんな私でも使えたのは、視覚的に操作できるNotionのユーザビリティの高さにあると思います」
2つ目の理由が、Notionスタッフのフォロー。「Notionの社員の方が、導入前にハンズオンセミナーを実施し、分からないことを全て教えてくれました。こういった手厚いサポートのおかげでトラブルはありませんでした」と廣政さん。
3つ目がNotionを積極的に使おうとする風土を部署内に作ったこと。アーリーアダプターの社員が自発的にNotionに触れ、使い方を熟知。ここでポイントとなるのが、経験と知見を披露する”場所”と”機会”を設けたこと。チャットツール上にNotion専用チャンネルを設け、情報共有を実施。同時にライトニングトーク(LT)を開催し、アーリーアダプターが自作のNotionページを発表しました。LTで使ったプレゼンはNotion上で公開し、いつでも見返せるようにしています。
アクティブユーザーは9割、ページ数は約2.5倍増
DPI部ではNotionをドキュメント管理ツールとして利用しています。具体的な使い方としてはオンボーディングの利用です。部署内に新しい社員が増えれば、Notionの資料を見せながらオンボーディングをしていきます。他にも議事録やナレッジの管理をし、後で見返すことができます。そんなDPI部ではNotionの利用方法は社員に委ねています。情報の公開範囲さえ守れば、あとは自由。自由に使えるワークスペースを与えられたことで、それぞれのチームのやりたいことに合わせてページを設計し、業務に活かしています。その結果、アクティブユーザーは9割におよび、ページ数は以前の約2000ページから約4700ページと倍増しました。
コラボレーションしやすいSaaSが生み出す協働意識
Notionを利用し続けていくことで、コラボレーションのしやすい土壌が生まれました。要求仕様書を作成し、プロジェクトの足場を固め、チームでプロダクトを作るという流れが滑らかに進み、日々のコラボレーションが活発化。「コラボレーションがしやすい場を提供できたことが、Notionの一番の効果です」と宮地さん。
またNotionを使うことでメンバーの協働意識も芽生えました。「部内打ち合わせをする際、マネージャークラスの社員も部下にあたる社員も同じページを見ながら、話し合いを進めます。Notionはリアルタイムに同時編集ができるため、役職や立場を超えて、みんなで一つのものを作っているような感覚を得られます」と廣政さんが語れば、グループ長の宮地さんは「以前なら、部下が作った資料を上に報告するというスタイルで仕事をしてきました。しかし、Notionを使えば誰でも、各自の思いをどんどん書き込める。結果的に、みんなで資料を作ることになりました」と明かします。これにより同じ目的に向かって進んでいくという協働意識が生まれたのです。
Notionはコラボレーションのしやすさから垣根を越えた関係を構築します。そこから組織の好循環が出来上がるのです。