高尚なミッションを持つことは大切です。しかし、明確に定義されたチームの目標とそれに向かって進むプロジェクトの目標がなければ、そのミッションを達成することはできません。
Lenny’s Newsletter and Podcast(レニーのメールマガジンとポッドキャスト)の創始者であるLenny Rachitsky氏(Airbnbの元プロダクトリーダー)は、何百人ものリーダーにインタビューしてきました。その知識を使って、チームが目指すミッションを戦略的行動に変換するのを助けるフレームワークを構築してきました。そのフレームワークは、特定のプロジェクトを、なぜこの仕事が重要なのかという全体像と結びつけます。
この記事では、Lennyのテンプレートとすべての主要な戦略的インプットについて説明し、このテンプレートで実行可能かつ刺激的なチーム戦略を構築する方法を解説します。
ミッションとビジョンの明確化が仕事を形作る
まずは最大かつ最重要なアイデアである、チームのミッションとビジョンから始めましょう。どちらもチームが実行するプロジェクトに直接影響するため、非常に明確にする必要があります。
ミッションとビジョンには、それぞれ明確な目的があります。ミッションはあなたが今達成しようとしているものであり、ビジョンはそれを達成した後の世界の様子です。
ミッションとビジョンがうまく機能すれば、チーム全体の賛同が生まれ、より意欲的かつ集中的な戦略的作業につながります。
ただし、ここにミッションとビジョンを書いて終わりではありません。これらを頻繁に繰り返し、すべてのドキュメントに含まれるようにして、全員の作業にさらに深く浸透させる必要があります。
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「何を」と「なぜ」に焦点を当て、チームのミッションを実行可能な戦略に落とし込む
大まかなミッションとビジョンを策定したら、戦略をさらに深く掘り下げましょう。
「戦略とはビジョンを達成するための計画であり、勝つために何をするかを具体的に示したものです」とLenny氏は言います。
チームの指針となる目標を設定する
自分の戦略を念頭に置いて、自分の戦略(ひいては自分のミッション)の進捗を追跡できる成功指標は何か、と自問してください。
指針となる指標を持つことが重要です。Lenny氏は、北極星のような理想的な指標を特定するために次の質問が大切だと言っています。
今日増加させるとしたら、どの指標がビジネスの前進を最も加速させるでしょうか?
まずはこの指標を設定する必要があります。その後も四半期ごとに見直して、作業内容を調整し、順調に進捗していることを確認しましょう。
戦略的フレームワークを構築する
注力すべき指標を特定したら、その目標を達成するためのチームの戦略を定義します。短め(1~2段落)の文章で、その説明とそれが正しいアプローチである理由を記述しましょう。
Lenny氏は戦略を、状況・問題点・解決策という単純なフレームワークに分割しています。
状況: 現在の状況は?誰もが納得する事実とは?
問題点: 解決すべき問題は何か?
解決策: この問題を解決するにはどうしたらよいか?
行動の背景にある「何を」と「なぜ」に焦点を当てるフレームワークを使うことは、あなたが引き受ける仕事の舞台を整える良い方法です。ここでは、Yahoo!、Tesla、GitLabの、様々なフレームワークを使ってよく練られた戦略の例をいくつか紹介します。
たとえば、今後6か月間で顧客維持率を15%向上させるというチーム目標を設定した場合、戦略フレームワークは次のようになります。
状況: 顧客の解約率が高く、収益低下とリピーターの減少につながっている。
問題点: 顧客が当社のプロダクトに期待する価値を見出せていないため、エンゲージメントの欠如につながり、最終的には顧客離れにつながっている。
解決策: 顧客満足度とエンゲージメントの向上に注力することで、顧客維持率を向上させ、最終的に会社の収益を増やすことができると考えている。
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戦略と仕事をつなぐ、より深いコンテキストを提供する
次に、その戦略を実現するために実行するプロジェクトを決めます。
戦略の柱を策定するために、戦略的フレームワークを使用します。これらを、戦略を実行するために必要な一連の作業として考えてください。
戦略の柱はそれぞれ、次の4つの主要セクションに分かれています。
何をするか?
どうしてそれが重要か?
その成功はどのようなものか?
具体的にどのようなプロジェクトが必要か?
それぞれが小さなプロジェクト概要として機能し、詳細を定義するためのインプットとなり、その作業がチームの目標達成に役立つ方法をより明確に示します。それぞれの柱についてステークホルダーを特定し、協力する必要がある関係各部門の担当者を引き入れましょう。
「戦略的なチーム計画においてよくある落とし穴は、自分に何ができるか、何をしなければならないかを過大評価することです。あまりにも多くのことを計画すると、日常的な作業が増えてしまいがちで、結果的に影響力の大きい仕事に割く時間が減ってしまいます。」とLenny氏は言います。
絶対的な数字はありませんが、Lenny氏は「戦略の柱が増えても、必ずしもより多くの仕事が完了するとは限らない」と指摘しています。彼は、3~5本の柱が、努力と効果のバランスを確保するために適当であると提案しています。
上記の顧客離れの例で考えてみると、戦略の柱には、顧客のニーズの理解とオンボーディングプロセスの改善が含まれる可能性があります。これらの柱により、効果を最大化し、顧客維持目標の達成に役立ついくつかの作業領域が導き出されます。
OKRを使用する場合、それがプロジェクトと目標を結び付けて、何が起こっているか、そしてその結果をより適切にトラッキングするのに適した場所となるでしょう。
上から下に向かって一貫した戦略
チーム戦略の個々の部分は多くの場合、存在はしますが、通常は切り離されたドキュメント内に存在しています。ミッションからプロジェクトに至るまで、戦略のすべての部分を結びつけることで、チームの仕事が順調に進み、より団結して作業できるようになります。
Lennyのテンプレートはまさにそれを実現するためのものです。会社とチーム、そして仕事の間をつなぎ、すべてを一か所でまとめるスペースを提供します。
Lennyの戦略テンプレートを試すには、まずはこちらから複製してください。