📕 MM理論を活用したROIC/WACCと企業価値の演繹的な推計方法


▶️理論的な関係

MM理論を活用したROIC/WACCと企業価値の関係は図のようにまとめられます。この図の通りに実証結果が検証できれば、理論的だけでなく、実証的にもROIC/WACCと企業価値の関係の有用性が判断可能です。

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▶️実際の関係

実際の関係を日本市場で分析したのが以下の図です。驚くべきほど説明力が高いことが分かります。説明力の高さは「決定係数」という指標が1に近いほど高いと考えられます。下記を見るとその数字は0.7なので非常に高いといえます。ROIC/WACCと企業価値の関係が日本でも実証可能といえます。

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▶️余剰現預金など取り除いたよりリーンな投下資本ベースのリーンROICが重要

なお留意点は、一般に使われている分母を単に「株主資本+有利子負債」ではなくて、その値から、余剰現預金など事業に投下していない資産等を取り除いたよりリーンな投下資本を利用しています。ちなみに、分母を単に「株主資本+有利子負債」とすると説明力が著しく劣ります。余剰現預金など事業に投下していない資産等を取り除いたよりリーンな投下資本を利用した「リーンROIC」とも呼ぶべきものを使うのがより適切といえます。

▶️ほとんどのROIC経営の企業がシンプルROICを使っているのは懸念材料

日本では、ROIC経営といっている会社や解説のサイトはほとんど、「株主資本+有利子負債」を分母につかっています。これだととんでもない間違いを起こす可能性あるので、注意が必要です。