▶️分母を単に「株主資本+有利子負債」とするROICの問題点

弊社は、一般に使われている分母を単に「株主資本+有利子負債」ではなくて、その値から、余剰現預金など事業に投下していない資産等を取り除いたよりリーンな投下資本を利用しています。ちなみに、ROIC/WACCの株価の説明力の統計学的な検証で説明したように、分母を単に「株主資本+有利子負債」とすると説明力が著しく劣ります。株式もちあいや、余剰現預金など事業に投下していない資産等を取り除いたよりリーンな投下資本を利用した「リーンROIC」とも呼ぶべきものを使うのがより適切といえます。

▶️ほとんどのROIC経営の企業がシンプルROICを使っているのは懸念材料

日本では、ROIC経営といっている会社や解説のサイトはほとんど、「株主資本+有利子負債」を分母につかっています。これだととんでもない間違いを起こす可能性あるので、注意が必要です。

弊社では、「株主資本+有利子負債」を分母に使う場合は「シンプルROIC」余剰現預金など事業に投下していない資産等を取り除いいたリーンな投資資本を分母に使う場合は「リーンROIC」と明確に区別しています。リーンROICをつかうのが企業価値分析には理論的にも実証的にも適切といえます。

ROIC経営といっている企業のほとんどが「シンプルROIC」なので、ちょっと危惧しています。欧米の企業は余剰資産がほとんどないないので、「シンプルROIC」でもよいのですが、資金調達したて、現預金がたくさんある場合や、株式持ち合いが多い企業は留意必要です。見かけのROICが低くなってしまうので、適切な意思決定ができない可能性があります。

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