第1条(趣旨) 曳家工法の移転料算定については、国土交通省の公共用地の取得に伴う損失補償基準の運用方針(平成15年8月5日付け国総国調第57号国土交通事務次官通知。)第16第1項(6)第2号に定めるもののほか、この要領に定めるところによるものとする。
第2条(建物の区分) 算定に当たり、建物は建物移転料算定要領(平成28年3月11日付け国土用第76号土地・建設産業局総務課長通知。以下「建物算定要領」という。)第2条による区分に従い、木造建物〔Ⅰ〕、木造建物〔Ⅱ〕、木造建物〔Ⅲ〕及び木造特殊建物並びに非木造建物〔Ⅰ〕及び非木造建物〔Ⅱ〕にそれぞれ区分する。 2 木造建物〔Ⅰ〕に区分される軸組工法により建築されている建物の算定については、第2章に定めるところによる。ただし、対象となる建物の構造、形状、材種等から判断して、この要領を適用することが妥当でないと認められるときは、木造建物〔Ⅰ〕に区分される軸組工法により建築されている建物以外の建物として扱うものとする。 3 木造建物〔Ⅰ〕に区分される軸組工法により建築されている建物以外の算定については、原則として、専門メーカー等の見積を徴することにより行うものとする。
第3条(移転料の算定) 曳家工法の移転料は、建物移転料算定表[曳家工法](様式第1)及び木造建物建築直接工事費計算書[曳家工法](様式第2)を用いて、次に掲げる式により算定した額とする。 補償額 = 純工事費 + 廃材運搬費 + 諸経費 + 廃材処分費 純工事費:直接工事費に共通仮設費を加えた額とする。
第4条(算定単価) 移転料の算定に用いる単価は、次の各号によるものとする。 一 ○○○○(起業者が別途定める補償金算定標準書等を記入する。)の単価 二 ○○○○に記載されていない細目の単価については、「建設物価(一般財団法人建設物価調査会発行)」、「積算資料(一般財団法人経済調査会発行)」又はこれらと同等であると認められる公刊物に記載されている単価及び専門業者の資料単価
第5条(数量計算) 数量の算出は、この要領に定めるもののほか、建物算定要領別添一の一木造建物調査積算要領〔軸組工法(以下「木造〕 建物要領〔軸組工法〕」という。)の別添2木造建物数量積算基準(以下「数量積算基準」という。)によるものとする。 2 構造材、仕上げ材等の数量計算は、原則として、次の方法により行うものとする。 一 数量計算の集計は、木造建物建築直接工事費計算書[曳家工法](様式第2)に計上する項目ごとに行う。 二 前項の使用単位で直接算出できるものは、その種目ごとの計算過程において、小数点以下第3位(小数点以下第4位切捨て)まで求める。 三 前項の使用単位で直接算出することが困難なものは、種目ごとの長さ等の集計を行った後、使用単位数量に換算する。この場合における長さ等の集計は、原則として、小数点以下第2位をもって行うものとし、数量換算結果は、小数点以下第3位まで算出する。 3 構造材、仕上げ材その他の木造建物建築直接工事費計算書[曳家工法](様式第2)に計上する数量は、前項第二号及び第三号で算出したものを小数点以下第2位(小数点以下第3位四捨五入)で計上する。
第6条(直接工事費) 直接工事費は、次の各号により算定するものとする。 一 曳家工事費 曳家工事費は、次に定めるところにより算出する各工事費の合計額とする。 ア 曳家基本工事費は、次の方法により算出する。 工事費 = 曳家基本工事面積 × 単価 曳家基本工事面積:1階床面積×規模補正率×2階建補正率×曳家係数 (ア) 規模補正率は、次表の1階床面積の区分に対応した率とする。この場合において、算出された数値がそれぞれの欄の前欄において算出される数値の最高値に達しないときは、その最高値を限度として補正することができる。
| 1階床面積 | 50㎡未満 | 50㎡以上70㎡未満 | 70㎡以上100㎡未満 | 100㎡以上130㎡未満 | 130㎡以上180㎡未満 | 180㎡以上250㎡未満 | 250㎡以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 補正率 | 1.19 | 1.10 | 1.06 | 1.00 | 0.94 | 0.85 | 0.71 |
(イ) 2階建補正率は、次表の1階床面積の区分に対応した率とする。
| 1階床面積 | 50㎡未満 | 50㎡以上70㎡未満 | 70㎡以上100㎡未満 | 100㎡以上130㎡未満 | 130㎡以上180㎡未満 | 180㎡以上250㎡未満 | 250㎡以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 補正率 | 1.00 | 1.09 | 1.14 | 1.23 | 1.33 | 1.53 | 1.87 |
(ウ) 曳家係数は、次の方法により算出する。 曳家係数=1+[a]+[b]+[c]+[d]+[e]+[f]+[g]
① 曳距離補正[a]
| 曳距離 | 20m以内 | 40m以内 | 60m以内 | 80m以内 | 100m以内 |
|---|---|---|---|---|---|
| 補正率 | 0.00 | 0.10 | 0.20 | 0.30 | 0.40 |
注)曳行を複数工程にわたって行う場合、2回目以降の曳行20m毎に0.10を補正率として加算する。
② 回転補正[b]
| 回転角度 | 0° | 30°以内 | 60°以内 | 90°以内 | 120°以内 | 150°以内 | 180°以内 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 補正率 | 0.00 | 0.07 | 0.14 | 0.21 | 0.28 | 0.35 | 0.42 |
③ 高低差補正[c]
| 高低差 | 0m以内 | 0.5m以内 | 1.0m以内 | 1.5m以内 | 2.0m以内 | 2.5m以内 | 3.0m以内 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 補正率 | 0.00 | 0.15 | 0.30 | 0.45 | 0.60 | 0.75 | 0.90 |
④ 障害要素
| 各種障害 | 補正率 | 摘要 |
|---|---|---|
| 基礎重複補正[d] | 0.20 | 高低差補正又は近接施工補正と同時に適用する場合は補正率を0.10とする。 |
| 方向替補正[e] | 0.15 | 方向替1回当たりに補正する。 |
| 近接施工補正[f] | 0.30 | 従前地(移転前)において隣地との離隔距離が道路接面以外の三方いずれかが1m未満の場合に補正する。 |
| 傾斜地補正[g] | [a]+[c] | 曳距離補正と高低差補正の和とする。 |
イ 基礎工事費は、木造建物要領〔軸組工法〕第28条により算出する。ただし、数量積算基準第4第1項第一号による布基礎長は、次表の基礎切欠補正率を乗じた値とする。