NFTゲーム「Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)」のnote記事を書いてから、1ヶ月ちょっとが経ちました。
私自身もNFTゲームの提供会社CSOであり、「Axie Infinity」は世界No.1のNFTゲームとしてベンチマークしていることから、先日も2021年8月度の収益をツイートいたしました。
世界No.1のNFTゲーム「Axie Infinity」。2021年8月度の収益は「約3億6400万ドル(約400億円)」となりました。前月比で185%の成長です。2021年4月から、わずか5か月で約543倍という恐るべき破壊的イノベーション。これがゲームと金融(+DeFi)が合わさった"GameFi"のパワーですね。スゴすぎる。 pic.twitter.com/YX9y3rGrUn— KOZO Yamada|NFTゲームの専門家|山田耕三 (@kozo_tx) September 1, 2021
たくさんの反響をいただきましたが、何人かの方から**「いつかAxieは破綻しませんか?」**という意見をいただきました。
たしかに、岩のNFTが1億5000万円で売れるなど、NFTマーケット全般は「なぜ高額で売れる?」と首をかしげることが毎日のように起こっており、「バブルでは?」と思う方も多いと思います。
NFTマーケット全般のことはさておき、一つだけ言えることは**ゲームと金融(+DeFi:分散型金融)が合わさった「GameFi」**には、その破綻を防ぐような仕組みが構造化されています。結論から言えば、破綻しにくいから「GameFi」なのだと思います。
みなさんは「ゲームして稼ぐ(Play-to-Earn)」が備わったNFTゲームのすべてを「GameFi」だと考えていないでしょうか? もし「Play-to-Earn」と「GameFi」の区別がついていないようならば、このnoteは読む価値があります。
今回は、あらためて世界No.1のNFTゲーム「Axie Infinity」を題材に、「本当にAxieは破綻しないのか?」を考察しながら、その先にある「GameFiとは何か?」を詳しく解説しましょう。
「Axieは破綻するのではないか?」という意見を持つ人たちの間で、その根拠になっているのが**「ポンジ・スキーム(Ponzi scheme)」**です。
ポンジ・スキーム(英: Ponzi scheme)とは、詐欺のなかでも特に、「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に(配当金などとして)還元する」などと謳っておきながら、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に“配当金”などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれ、その利益を出資者に配当しているかのように装うもののこと。(Wikipediaより)
以前のnoteにも詳しく書いたので詳細は省きますが、Axieはゲームを始める際にキャラクターのNFTを約10万円ほどの暗号通貨(イーサリアム:ETH)で購入しなければならない仕組みです。
つまり、Axieをポンジスキームだと考える人たちは**「AxieキャラクターのNFTを売って最初に集めたお金を、ゲームで勝つともらえる暗号通貨(SLP)として配布しているだけなのではないか」**と考えているのです。
本当にそんな仕組みなのでしょうか?
Axieの仕組みはプレイヤーには複雑に見えます。勝つと暗号通貨(SLP)がもらえる**「バトル(Battle)」だけではなく、新たな強いキャラクターがつくれる「ブリード(Breed:繁殖)」や、キャラクターのNFTをユーザー同士で売買する「マーケットプレイス(Marketplace)」**などの要素が組み込まれています。
さらに「ブリード」にも使用する「ガバナンストークン(Governance Token)」と呼ばれる暗号通貨(AXS)があるため、Axie経済の全体像がつかみにくいのかもしれません。しかし、実はすごくシンプルです。海外のブロガーが作成した次の図をご覧ください。
青でハイライトされた部分が「Axieの生態系」です。Axieアカウントを中心にして、右側にマーケットプレイス、下側にバトルとブリードが配置されています。
ポンジ・スキームかどうかは、「外部」からAxie経済圏の「内部」へと流れる暗号通貨を見ればOKです。そうすると外部マネーは**「①NFTキャラクターを購入する」「②暗号通貨(SLP / AXS)を売買する」という2つのルートしかない**ことがわかります。
ということは、NFTキャラクター・SLP・AXSを購入することによって流れ込んだマネーを「Axie経済圏」で循環させているだけということになるので、かなりポンジ・スキーム的に見えてきました。