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非代替性の仮想通貨を取引するNFT(ノンファンジブルトークン)市場が非合理的になってきていることを示す兆候が少なくとも1つ出てきた。現在活躍している中で最も有名なアーティストともいえるバンクシーを装ったなにものかが、NFT作品の販売から100万ドル以上のイーサ(ETH)を手にいれたのだ。

ことの経緯はこうだ。今年の2月14日頃、NFTマーケットプレイスである「オープンシー」や「ラリブル」に「Pest Supply」というアカウントが出現。バンクシーの署名が入った作品が掲載されていたことから、多くの人が飛びついた。本物のバンクシーがゲリラ的に作品を公開することがあるからだ。

これらNFT作品を購入したユーザーは「750ドルを吹っ飛ばしたか、バンクシーの生涯の取引を手に入れたかのどちらかだ」と不安げだ。

I either just blew $750 or got the deal of lifetime on a Banksy... we shall see.https://t.co/YSMULcspgY? #rarible #ethereum #nonfungible #digitalasset #nft via @rariblecom— OnTheBrink (@Brinkster0x) February 19, 2021

オープンシーは現在疑惑のアカウントを停止しているが、それまでに数百件の取引が成立。大口資金の入ったウォレット「0xb1」も数回の購入を行っており、中には34ETH(6万8000ドル)相当の取引も含まれているようだ。このアカウントは合計で512ETHを獲得しており、約430ETHが違うイーサリアムアドレスに送金されている。

コインテレグラフが入手したメールによると、**バンクシーの「法定後見人」であるペスト・コントロール氏は、これらのNFTとの関連を否定している。**ちなみに同氏はこれまでも本物のバンクシーのポップアップインステレーションに関する事実関係を否定したこともあるのでこれだけでは判断できないのも確かだ。

仮想通貨アーティストを自称するMax Osiris氏は「NFT分野に進出してくる『有名人』が増えていること、もともとバンクシーの手口には謎が多いこと、そしてNFT取引プラットフォームであるRaribleのユーザー確認システムのすきを利用した巧妙な手口。よく調べずに駆け込みで作品を購入する人が増えており、NFT周りの熱狂はある種のモンスターをつくりだした」とコメントしている。