1. JavaScriptとはどんな言語か?

これからのチュートリアルでは,「JavaScript」について簡単に紹介をしていきます。プログラミング言語には多くの種類があり,時代とともに進化しています。例えば,C言語は他の言語に受け継がれ,言語開発に影響を与えた基本的なプログラミング言語です。そのため,大学のプログラミングの基礎の授業では「C言語」を学ぶことが多いと思います。

JavaScriptもC言語の構文を受け継いでいますので,C言語の知識があれば,理解がしやすいと思われます。JavaScriptはNetscape Communication社によって開発され,ブラウザで実行される言語です。当時注目を浴びていたJAVA言語にあやかってJavaScriptと名付けられましたが,まったく別の言語であり,互換性もありません。その後,ブラウザ標準のスクリプト言語として定着しました。

JavaScriptは,ホームページを装飾過剰にする,セキュリティホールがあるなどの問題点が指摘され,2000年頃まではそれほど注目されていませんでした。2005年にAjax(Asynchronous JavaScript + XML)という技術が誕生すると,ブラウザでデスクトップアプリと同じようなコンテンツを作成できるようになり,再び注目されるようになり,2000年後半にHTML5が登場したことで,急速に普及していきました。ちなみにlab.jsの描画で採用されているCanvasという機能は,HTML5で追加されたJavaScript APIの機能です。

2. 次世代 JavaScript「ECMAScript 2015」

最近では,標準化団体ECMA International によってJavaScriptの書き方が標準化された,ECMAScript 2015 (ECMAScript 6)が広まりつつあります。大きな変革により,コードの見栄えが一新されてしまい,初学者がコードを読み解くためのハードルが高くなってしまいました。lab.jsのサンプルプログラムでも,この書き方なので怯んでしまいます。私のチュートリアルでは,既存のC言語に近い書き方で説明をしていきます。

3. 一般的な書き方とlab.jsでの書き方

JavaScript のコードは通常は HTML コードの中に埋め込まれます。HTML コードをファイル(拡張子は .html か .htm)に記述し,それを web ブラウザで開くことで,JavaScript のコードを実行することができます。HTMLファイル内では<script>要素の配下にコードを記述するか,外部ファイルとして,JavaScriptのファイル(.js形式)を用意し,それをHTMLファイル内で読み込みます(C言語では「main( )」ではじめ,その中にコードを記述するように教わると思いますが,JavaScriptではそのような関数は使用しません)。

lab.jsでは「Scriptsタブ」内にコードを記述する方法を説明しますが(詳しくは別のチュートリアルで),実際には同じプロセスでコードが読み込まれていると思ってください。