Facebookが、スマートフォン時代の後継者として仮想空間「メタバース」に5000億円以上を投下すると発表し、業界での注目が俄然高まっています。

特に注目されるのは、先週末にβ版を発表したばかりの仮想空間の会議サービス「Horizon Workrooms」でしょう。

筆者も実際に体験してみましたが、従来のVRサービスの制約を明らかに大きく一歩クリアする完成度になっています。

大袈裟に例えるならば、これまでのVRサービスを日本でスマホ時代の前に流行ったiモードなどのガラケーのサービスとすると、今回Facebookがスタートした「Horizon Workrooms」とVRゴーグルのOculus Quest2の組み合わせは、iPhone登場に近いインパクトをもたらすかもしれません。

今回の「Horizon Workrooms」のどこが革命的なのか、ポイントは4つあります。

■コントローラー不要で利用可能

■身振りを再現するハンドトラッキングの進化

■表情を再現するリップシンクの進化

■方向や距離を再現する空間音声技術の進化

1つずつご説明します。

■コントローラー不要で利用可能

個人的に「Horizon Workrooms」で最も大きい進化だったと考えているのが、コントローラー不要で操作が可能になっているところです。

従来のVRゴーグルにおいては、Oculusシリーズに限らず基本的に両手にコントローラーを持って操作するのが基本でした。

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(出典:Oculus Quest公式サイト)

もちろん、それがなくても一部操作可能なものはありましたが、何だかんだとコントローラーを使う方が便利な設計になっていたのが現実だと思います。

それが「Horizon Workrooms」では、ハンドトラッキング技術をベースとして活用することで、コントローラー無しで基本的な操作が全て実施可能です。

そのため、コントローラーのボタンや操作などを覚えなくても、自分の手で自然なコミュニケーションをすることができ、メタバース内で自分のPCを操作するなど、現実空間と同じことが実現できるようになっています。

これにはボタン操作が基本だったガラケーに対して、タッチパネル操作を基本にしたiPhoneの登場が、携帯電話業界に大きな変化をもたらしたのと同じぐらい大きなインパクトがあると感じています。

■身振りを再現するハンドトラッキングの進化