要約

NFTアートプロジェクトで注目されるCC0

CC0を採用したNFTアートが注目されています。

CC0とは、著作権等を放棄し、著作物を誰でも自由に利用できる状態にすることです。 例えば、CC0が採用されたアートは、二次創作のNFTアートをMintしたり、マグカップにプリントして売ったりすることができます。

CreativeCommonsJAPAN「CC0について ― “いかなる権利も保有しない”」

CC0 とは、科学者や教育関係者、アーティスト、その他の著作権保護コンテンツの作者・所有者が、著作権による利益を放棄し、作品を完全にパブリック・ドメインに置くことを可能にするものです。CC0によって、他の人たちは、著作権による制限を受けないで、自由に、作品に機能を追加し、拡張し、再利用することができるようになります。

CC0は、著名NFTプロジェクト「Nouns」がこれを採用したことで注目されています。 Nounsは、下記「Noun117」のようなかわいいピクセルアートNFTを1日に1つ、自動生成・発行するプロジェクトです。

Nounsの例において、CC0を採用する最大のメリットは、「みんなが勝手にNounsを盛り上げてくれること」です。 Nounsでは、ピクセルアートを元にした3Dボクセルアートを作る「3DNouns」やファーストフード版のNounsを作る「Fast Food Nouns」といったような派生プロジェクトが生まれて盛り上がっています。 「Nounsは誰のものでもない」という状態を作ることで、Nounsを中心としたコミュニティ全体が盛り上がっているように見えます。

CC0の弱点

私は、CC0には以下のような弱点があると考察しています。特に、日本のNFTアートシーンでは、その弱点が顕著になると考えられます。

CC0の弱点は、2次的著作物の著作権を制限できないことです。

CC0として公表された著作物について、2次創作が行われたが、その2次創作の著作権が保持されたままの場合、CC0のバトンはそこで断たれてしまいます。その2次創作についてさらに2次創作をすることはできなくなります。

例えば、

① Aさんが、2DキャラクターSのアートをCC0で公表する

② Bさんが、キャラクターSのボクセルアートS2を著作権を保持したまま公表する