傷が、魅力になる木。

京都・京北発「ベアーズウッドプロジェクト」

ベアーズウッドプロジェクトとは

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2021年、京都の京北で、吉田真理さん(家具職人)四辻誠剛さん(林業)堤卓也さん(漆屋)3人がこのプロジェクトを立ち上げました。 熊によって木の皮が剥がされる「クマハギ」。本来は価値が下がるその木を、むしろ個性として活かし、新しい魅力ある素材として再生させています。クマハギ材を通して、自然との共生や森の未来を考えるきっかけを地域から広げています。

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What is クマハギ?

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クマハギ材 ≒ 高級木材


春から夏(4月〜8月)にかけて、木々が盛んに水を吸い上げるこの季節。クマたちはスギの木の根元に爪を立て、器用に樹皮を剥ぎ、中の樹液をベロベロと舐めていきます。 新緑の時期は特に、皮が簡単に剥がれるため、クマにとっては絶好のタイミング。 彼らが好むのは、木の根元付近——いわば「木の大トロ」ともいえる、一番美味しい場所。そこを狙って皮を剥ぐため、木はその部分が収縮し、回りから巻き込むような歪な木目の木材へと変形していきます。 また不思議なことに、クマが選んで皮を剥ぐ木は、なぜか質の良い木ばかり。 60年〜80年かけて丁寧に育てられた、まさに山の宝のような木に限って、クマの被害に遭ってしまうのです。

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クマハギされた木、どこへ行く?


クマが皮をはいだ部分は、基本的には枯れてきます。クマハギ後に年月を経て変形した規格外の木も、製材所でのカットが困難なため、「チップ」と呼ばれる状態になって、紙の原料になるか、火力発電の炉で燃やされるのが、現状です。

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