※この記事はAstar Networkのコアチームの公認は頂いていない私個人の見解になります。

まず初めにAstar Networkについて説明させて頂きます。公式な説明についてホワイトペーパー公式ブログの最下段をご参照下さい。ここでは私の理解を元に説明をさせて頂きます。

まずはAstar Networkの特徴を主な箇条書きにしてみようと思います。

レイヤー1

レイヤー1ブロックチェーンとはビットコインやEthereum、Solanaなどのようなブロックチェーンのことで、そのチェーンに親チェーンが存在しないブロックチェーンのことを指します。例えばPolygonはEthereumのレイヤー2ブロックチェーンという事が出来ます。Astar NetworkはPolkadotのリレーチェーンに接続するため、レイヤー2のように理解されることがありますが、レイヤー1ブロックチェーンです。

スマートコントラクト

Astar Networkはスマートコントラクトをサポートします。開発の初期段階においては、WASMのみのサポートのように見えましたが、現在はEVMとWASMの両方をサポートしています。EVMについて言えば、Ethereumにデプロイ可能なスマートコントラクトをそのままデプロイ出来ます。metamask、hardhat、remixなどのツールもサポートされていますので、Ethereumの開発者はそのままAstar Network上で開発が可能であると思います。そしてさらに凄いのが”X-VM”と呼ばれる機能です。詳細は公式記事で紹介されていますので、そちらに譲りますが、一言で言えば、異なるVM同士で通信が出来るという事です。公式記事でも触れられていますが、色んな面で将来的にブロックチェーン上のバーチャルマシンはWASMが主流になっていくように思います。私は未だ実際X-VMを動かした事がない(現在開発中)ので、どこまで何が出来るか詳細をご案内することが出来ませんが、現在主流となっているEVM上で開発したdAppをWASMに移行する事なく、WASM側から再利用出来る世界が”X-VM”によってもたらされるとすれば、それは物凄く素晴らしい事だと思います。

レイヤー2

Polkadot自体がスケーリングソリューションであるため、現時点でAstar NetworkのようなPolkadotに接続するパラチェーンのパフォーマンスが問題になるようなことはありません。今後、Astar Networkの運用がEthereum並みになった時には、現在のEthereumのように処理能力、並びにガス代などの問題が発生するかもしれないと思っています。そういう状況に陥った際に最初から解決策があるというのは非常に強力に作用します。そうなった時には用途単位のレイヤー2ブロックチェーンがAstar Networkエコシステム内に作られるようになるのではないかと思っています。そして、そのレイヤー2ブロックチェーンはAstar Networkのセキュリティ機能を包含する事が出来たら良いなと思っています。ちょうどPolkadotとAstar Networkの関係のように。

マルチチェーン