第1条(適用範囲)  この要領は、建物移転料算定要領(平成28年3月11日付け国土用第76号土地・建設産業局総務課長通知(以下「建物算定要領」という。)第4条に係る非木造建物の調査及び推定再建築費の積算に適用するものとする。

第2条(用語の定義)  この要領において「既存図」とは、調査対象建物の建築確認申請通知書の設計図、請負契約書の添付設計図、完成時の竣工図等の図面及びその他法令の定めによって作成された図面をいう。 2 この要領において「不可視部分」とは、建物の調査を行う場合に剥離及び破壊等を行わなければ容易に調査できない部分をいう。 3 この要領において「細目」とは、非木造建物工事内訳明細書式に計上する補償金額積算の最小単位の項目をいい、細目は原則として数量に単価を乗じて計算する。 4 この要領において「複合単価」とは、材料・労務・機械器具等複数の原価要素を含んだ細目の単価をいう。 5 この要領において「合成単価」とは、複数の細目の複合単価から構成される単価をいう。

第3条(非木造建物の区分)  調査算定に当たり、非木造建物は、建物算定要領第2条による区分に従い、非木造建物〔Ⅰ〕及び〔Ⅱ〕に区分する。 2 非木造建物〔Ⅰ〕の調査及び推定再建築費の積算については、第2章及び第3章に定めるところによる。 3 非木造建物〔Ⅱ〕の調査については、次条、第5条及び第6条の規定を準用して行うほか、推定再建築費の積算が可能となるよう行うものとし、積算については、別添2非木造建物数量計測基準のⅠ総則6に規定する別表の統計数量値及び別添3非木造建物工事内訳明細書式の6に規定する別記非木造建物補償諸率表は適用しないものとし、第3章の規定を準用した積み上げによるか、又は専門メーカー等の見積を徴することにより行うものとする。

第4条(調査)  非木造建物の調査は、現地において当該建物の位置、用途、構造、建築工法、規模、仕様、規格、経過年数、管理状況等建築費が算出できるようにするための調査を行うものとする。

第5条(既存図の利用)  前条の調査を行うに当たっては、既存図がある場合はこれを利用して調査することができるものとする。

第6条(不可視部分の調査)  不可視部分の調査については、既存図が入手できる場合にはこれを利用して調査を行うものとする。この場合において、可能な範囲内で写しを入手するものとする。ただし、当該不可視部分の数量を別に定める統計数量により計算する場合には、当該不可視部分の調査は不要とする。 2 前項の調査において、当該建物に既存図がない場合又は当該建物と既存図の間に相違があると認められる場合においては、所有者、設計者又は施工者からの聞き込み等の方法により調査を行うものとする。

第7条(構造計算)  既存の建物の一部又は全部を変更して積算を行う場合については、建築基準法第20条第2項に規定する構造計算を行うものとする。ただし、鉄骨造りの建物については、建物の構造が軽量鉄骨造りから重量鉄骨造りに、又は重量鉄骨造りから鉄筋コンクリート造りに変更になる場合等を除いて構造計算は不要とする。

第8条(補償金積算に必要な図面の作成)  補償金額を積算する場合の図面は、別添1非木造建物図面作成基準(以下「図面作成基準」という。)に基づき作成するものとする。

第9条(写真撮影等)  次により写真を撮影し、所有者ごとに写真台帳を作成するものとする。 一 写真撮影  次の箇所の写真を撮影する。  ア 四方からの外部及び屋根  イ 各室  ウ 造作、建築設備及び建物附随工作物 二 写真台帳  撮影の位置、方向及び写真番号を記載した建物の配置図及び平面図を添付し、撮影年月日を記入する。

第10条(積算単価等)  補償金の積算に用いる単価は、次の各号によるものとする。 一 ○○○○(起業者が別途定める補償金算定標準書等を記入する。)の単価 二 ○○○○に記載されていない細目の単価については、「建設物価(一般財団法人建設物価調査会発行)」、「積算資料(一般財団法人経済調査会発行)」又はこれらと同等であると認められる公刊物に記載されている単価及び専門業者の資料単価

第11条(数量の計測・計算)  細目の数量は、原則として、当該建物の作成図面に基づいて計測・計算するものとする。計測・計算方法等は、別添2非木造建物数量計測基準によるものとする。

第12条(計算数値の取扱い)  補償金の積算に必要となる構造材、仕上げ材等の数量算出の単位は、通常使用されている例によるものとする。ただし、算出する数量が少量であり、通常使用している単位で表示することが困難な 場合は、別途の単位を使用することができるものとする。 2 構造材、仕上げ材等の数量計算は、原則として、それぞれの単位を基準として次の方法により行うものとする。 一 数量計算の集計は、別添3非木造建物工事内訳明細書式(以下「工事内訳明細書式」という。)に計上する項目ごとに行う。 二 前項の使用単位で直接算出できるものは、その種目ごとの計算過程において、小数点以下第3位(小数点以下第4位切捨て)まで求める。 三 前項の使用単位で直接算出することが困難なものは、種目ごとの長さ等の集計を行った後、使用単位数量に換算する。この場合における長さ等の集計は、原則として、小数点以下第2位をもって行うものとし、数量換算結果は、小数点以下第3位まで算出する。

第13条(非木造建物工事内訳明細書式に計上する数値)  工事内訳明細書式に計上する数値は、次の各号によるもののほか、図面作成基準8による計測値を基に算出した数値とする。 一 建物の延べ床面積は、図面作成基準9(3)で算出した数値とする。 二 構造材、仕上げ材その他の数量は、前条第2項第2号及び第3号で算出したものを小数点以下第2位(小数点以下第3位四捨五入)で計上する。

第14条(内訳書の表示)  積算結果を表示する内訳書は、工事内訳明細書式によるものとする。

別添1 非木造建物図面作成基準

1(趣旨)  この基準は、非木造建物調査積算要領第8条に規定する図面の作成基準である。

2(既存の設計書、図面等の準用)  補償対象となる非木造建物等について既存図がある場合は、現地調査において当該建物と照合を行ったうえでこれを使用して図面を作成できるものとする。

3(作成図面)  作成する図面の種類、縮尺及び記載事項等は(別表)に掲げるものを標準とする。

4(用紙及び図面) (1) 図面の大きさは、原則として、産業標準化法(昭和24年法律第185号)第11条により制定された日本産業規格(以下「日本産業規格」という。)A列2番横とし、中2つ折りにして製本するものとする。 (2) 各図面には、おおむね3㎝程度の枠を設けるものとする。 (3) 各図面の右下におおむね縦5㎝、横12㎝の標題欄を設け、業務名称、図面名称、図面の縮尺、図面番号、請負者の名称、資格及び資格登録番号並びに作成者氏名を記載するものとする。 (4) 図面の表紙には、作成年度、業務名称、作成年月、計画機関の名称及び作業機関の名称を記載するものとする。

標題欄参考