キリスト教の国のみなさん、メリー・クリスマス!ご家族といい時間を過ごされましたか。日本は人口1億2000万人のうち、キリスト教の人はたった1%です。それでも、町にはクリスマス・ソングが流れ、あちこちにクリスマス・ツリーが かざられています。そして、恋人たちは町へ出かけてデートをし、家族はお家でケーキとフライドチキンを食べる日になっています。はは、何だそりゃ、でしょう?いいんです、日本のクリスマスは、イベントになってますから。子どもたちは、サンタクロースにプレゼントをお願いして、25日の朝を待ちます。
うちも、子どもが小さいときは、12月になると、サンタの話をよくしたものです。
「ねえ、今年もサンタクロース、来るかなあ?」
「ああ、いい子にしてたら、来るんじゃない? あ、ちょっと、ゴミ、捨てに行ってくれる?」
悪いお母さんですねえ。そうやって、子どもを働かせるんですよ、12月は。まあ、そうでなくてもね、えーサンタ用のプレゼントは買いにいきました。うちでは、いつも「本」に決まっていました。私が好きな本を選んで、買って、ラッピングして、こどもの枕のそばに置いていました。いいですか。「私が」好きな本です。「子どもが好きそうな本」じゃ、ありません。私が好きで、一緒に読んでほしいなあ、感想を聞きたいなあ、と思う本ばかり選んでました。すごーく自分勝手なサンタですね。でも、ともかく、クリスマスは楽しいイベントでした。
ところが。中には「クリスマスなんて、来なければいいのに」と思うご家庭もあるようです。ニュースで知りました。「コロナで仕事が減って、うちにはツリーやプレゼントを買うお金はない。去年はケーキが買えないから、食パンにさとうをかけて、焼いてあげた。学校でサンタの話が出ても、うちの子は仲間に入れない。それが、かわいそう。」こんなご家庭もあるんです。
そんなご家庭に「本」を送ろう、という活動があるそうですね。「チャリティーサンタ」というNPOが、全国の本屋とボランティアとサポーターをつなぎます。この活動を「ブック・サンタ」といいます。5年前に始まったということです。スローガンを紹介しましょう。
「あなたが選んだ一冊を、サンタクロースが全国の子どもたちに届けます」
どうですか。たとえ、お金がなくても、親は申し込みをすれば、子どもたちに「本」を届けてもらうことができます。また、サポーターの人たちは、自分が子どものとき、読んで好きになった本を、今の子どもに伝えることができます。少しのお金で、社会貢献できるのも、うれしい。時間のある人は、本当にサンタの服を着て、子どもたちの家に行くこともできる。子どもたちの笑顔に出会うことができる。
「お母さん、生きててよかったね。」
子どもに、こんなことを言わせてはいけない。子どもは、いつも幸せであるべきです。クリスマスの本、1冊で子どもの未来は変わる。
一方で、この活動は町の本屋も支えているんです。ここ、大事ですよ。日本でも町の本屋さんが、どんどんなくなっていますから。ニュースによると、「本屋のない町」が町の数全体の26.2%もあるということです。いやあ、ショックでしたね。でも、最近、本当に本屋で本、買ってないです。本屋がないから買わないのもあるし、ネットで買う方が便利だからというのもありますよね。しかも、デジタルの本を買う方が多いです。皆さんも、そうじゃありませんか?でも、考えてみてください。子どものときの好きな本って、宝物だったでしょう? それは、さわって手に取って、大事に何回も何回も読む本、だったでしょう?
今年はこのニュースを知るのが遅かったので、私はサンタになれませんでした。来年はぜひ、もう一度、「私が」好きな本を買って、サンタになってみたいと思います。