★★★肺炎
発熱、呼吸器系の自覚症状(咳嗽・咽頭痛・胸痛・呼吸困難など)に加えて、胸部画像検査(胸部X線検査、胸部CT検査)で新たな陰影を検出することが診断要である。基礎疾患既往や免疫抑制状態などの危険因子を確認し、逆流してきた内容物の誤嚥により発生する場合もある。 なお、2020年1月以降は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)が世界的に流行している(2021年8月時点)。COVID-19の患者には肺炎がみられることがある。 1 病状把握 発症の場所、状況、症状の推移、基礎疾患、既往歴、治療歴、生活歴などについて聴取し、まず意識状態、体温、血圧、心拍数、呼吸数などのバイタルサインを確認する。このとき、quick SOFA(qSOFA)スコア(表5-2)が2点以上あれば敗血症性ショックを疑う。 また、チアノーゼ、脱水の指標となる皮膚の状態や口腔内の乾燥の程度、肺野の聴診(呼吸音の左右差、断続性副雑音(ラ音)など)、下顎のリンパ節腫脹などにも注意し、さらに治療開始前の所見は治療効果判定にも有用である。全身状態や栄養状態の把握にも、体重変化に留意する。 2 検査 微生物学的診断 【1】菌検体検査 可能な限り抗菌薬治療開始前に、喀痰ではなく良質な検体を採取し、塗抹検査、培養検査を行う。 【2】咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液検査 咽頭体分や鼻腔ぬぐい検体が可能なものもある(肺炎球菌、マイコプラズマ、レジオネラ、百日咳菌、インフルエンザウイルスなど)。 【3】血液培養検査 抗菌薬治療を開始する前に、採血する場所をかえて複数回実施する。培養ボトルは好気性用および嫌気性用にそれぞれ用意されており、2本一組で採取するが、複数回とは2セット以上を1度に採取することである。複数セットを採取することで混入の判別がしやすくなるとともに、1セットだけが陽性なら菌の検出は混入の可能性が高いと考えられる。寒戦発熱をみとめるときに採血すると、菌の検出率が向上する。採血時に皮膚の常在菌の混入を避ける。 表5-2 qSOFAスコア 1)呼吸数 22回/分以上 2)意識障害 3)収縮期血圧 100mmHg以下 ※意識障害にはグラスゴーコーマスケールが15未満をさす。 1)SOFA:sequential organ failure assessmentの略。
144 第5章 疾患の理解 ■表5-3 抗体検査を診断に用いる呼吸器感染症をおこす微生物 細菌:クラミジア、マイコプラズマ、レジオネラ、百日咳菌など ウイルス:アデノウイルス、インフルエンザウイルス、RSウイルスなど ため、検血塗抹を十分に消毒し、厳密な清潔手技を心がけて採血する。微生物の検出が目的であったが、血液の内容量を消毒する。培養ボトルに血液を注入し、培養まではできるだけ室温に置かず、培養を開始する。培養開始までに長時間を要する場合には培養ボトルを保温する。 【4】尿検査 尿中抗原検査が、肺炎球菌などは尿中に排出される菌体の一部を検出することで診断に有用な検査となる。 血液検査 末梢血の白血球数と分画、CRP(→73ページ)は治療効果の評価にも有用であるが、必ずしも炎症の指標とは一致しない。また、白血球数が正常な場合にも非定型肺炎(→145、149ページ)の可能性もある。必要に応じて各種血清抗体価、病原体抗原などを測定する。肝機能・腎機能の評価も重要であり、投与量・期間を調整するためにも、肝障害・腎障害の有無と程度を評価する。 動脈血ガス分析 パルスオキシメーターで動脈血酸素飽和度を測定し、酸素投与の必要性を評価する。呼吸困難が強い場合や、意識障害を合併する例では動脈血ガス分析を行い、酸化炭素ガス分圧や酸素分圧を測定する。特に高齢者や慢性呼吸不全患者では、CO₂ナルコーシスに注意が必要である。 画像検査 胸部X線検査は肺炎の診断に必須である。胸部CT検査は解像度が高く、胸部X線検査では評価のむずかしい病変を描出できる。 3 治療 一般的治療 原因にかかわらず、一般的治療と原因微生物に対する薬物療法が中心である。 安静を保ち、発熱・脱水(発熱と頻呼吸により脱水になりやすい)の状態に応じて補液、クリニックを行う。痰の多いときには、ネブライザーの使用、体位ドレナージ、胸部のタッピングを行う。吸引しやすいように、吸引しやすくする(→120ページ)。 呼吸が苦しいときに酸素をとると、むしろ酸素を補いにくくなる場合があるので注意する。 酸素療法 高齢者や慢性呼吸不全患者では、十分な水分と栄養の補給に努める。 必要に応じて酸素吸入を行うが、特に慢性呼吸不全患者では過剰な酸素投与により二酸化炭素ナルコーシスを起こすことがあるので注意する。 酸素吸入によってCO₂ナルコーシスを起こすことがあるので、適量にレベル
肺炎の分類 患者は若年者から高齢者まで幅広く、もともと健康な人から基礎疾患を有する人までおり、さまざまな要因が発症や重症化に関連している。肺炎の重症度は患者の年齢や基礎疾患の有無、重症度に関連している。重症化するとICUで管理する場合もあり、重症で外来治療が可能な場合は少ない。 一方、診断までの考え方では提起に肺炎が分割されている。肺炎の診断は、患者が自宅で発症した肺炎か、あるいは入院中に発症した肺炎かによって、また肺炎の原因となって退院を繰り返す患者もいる。特に高齢者やがん末期の患者の点滴の管理が難しい通院や入院は肺炎になりやすい。 ● 肺炎がおこる場所による分類 従来、入院後48時間以上経過してから発症するものを院内肺炎、そうでないものを市中肺炎として分類してきた。しかし、肺炎の発症前に介護を受けている高齢者や医療ケアを受けている患者も増え、入院を要する肺炎で市中肺炎例全体の約40%を占めるとの報告もあり、医療・介護関連肺炎がけっして少なくないタイプの肺炎であることもわかってきた。 日本呼吸器学会で作成された「成人肺炎診療ガイドライン2017」では、肺炎のカテゴリーについて、次に肺炎が発症する基盤的な状況に応じて、市中肺炎、院内肺炎、医療・介護関連肺炎に分類することが推奨されている。さらに、市中肺炎では致死症の有無と重症度により治療を行う場所を決め、院内肺炎と医療・介護関連肺炎では誤嚥性肺炎の有無、悪性腫瘍など他疾患の末期や栄養状態の不適切な場合の緩和医療を終末期の患者を鑑別することなどを特徴とした考え方が示された(→図5-1)。 ◎市中肺炎 community-acquired pneumonia(CAP) 市中肺炎とは、患者の基礎疾患や免疫状態にかかわらず、院外で感染し発症した肺炎をさす。主に5~4の原因微生物が考えられる。一般に30~50%では原因微生物は不明とされているが、頻度順に細菌性肺炎やインフルエンザ菌、肺炎球菌が多い。 なお、非定型肺炎であればマイコプラズマやクラミジアが多い。白血球の増加が軽度にとどまり、グラム染色で色素されない場合もある。細胞の増加や細胞性の合成抗体は無効である。トラコーマチスやクラミジア・ニューモニエのような抗菌薬が有効である、などの特徴を有する肺炎をさす。マイコプラズマ肺炎など。
第5章 疾患の理解 (図:肺炎の分類フローチャート) • 市中肺炎
★表5-7 医療・介護関連肺炎(NHCAP)の定義
疾患の理解 ルス対策として、病変を陰圧にする無菌室*が使用される。 細胞性免疫障害▶ 細胞性免疫が低下する特殊例には、悪性リンパ腫、白血病などの血液疾患、慢性腎不全、糖尿病ステロイド薬、シクロスポリンなどの免疫抑制剤薬や生物学的製剤を使用する場合(移植時や膠原病など)などがある。合併しやすい肺炎の原因微生物は、細菌では抗酸菌・ノカルジア、ウイルスでは単純ヘルペスウイルス・アデノウイルス、水痘-帯状疱疹ウイルス・サイトメガロウイルス、真菌ではアスペルギルス・カンジダ、さらには寄生体、血液や咽喉の真菌で肺炎を起こすことがある。組織性肺炎などの感染検査を要する場合もある。 液性免疫障害▶ 血清IgGが500mg/dL以下のときは液性免疫不全を考慮する。先天的なシグマグロブリン欠乏や慢性腎疾患もあるが、悪性腫瘍や白血病などの血液疾患、脾臓摘出後、肝硬変、糖尿病、慢性呼吸不全、膠原病、免疫抑制剤使用時なども含まれる。肺炎の原因菌は、肺炎球菌・インフルエンザ桿菌・クレブシエラ属などが考えられる。 5 肺炎各論 ●細菌性肺炎 ●肺球菌肺炎 肺炎球菌 Streptococcus pneumoniae は、多糖体からなる莢膜をもつグラム陽性双球菌で、細菌性肺炎の原因菌として検出頻度が最も高い。 症状▶ 突然の悪寒戦慄を伴う高熱で発症することが多い。典型例では鉄さび色の喀痰をみる。10~50%の症例で胸膜炎を合併し、胸痛を伴うこともある。腎炎をきたえることもある。 検査▶ 胸部X線検査ではエアブロンコグラム(■5-2)をみとめることがある。 (画像説明) 右肺上葉に陰影をみとめる。浸潤増強および肺胞腔内を満たすため、空気が残った気管支が樹枝状に透見されて浮かびあがってみえる(エアブロンコグラム)。 図5-2 エアブロンコグラム 1)清浄化された空気を送り込み、空肺内を陽圧に保つことにより、菌の汚染された気道への侵入をふせぐように特別な調整をされた病室のこと。
染のグラム染色や培養検査、血液培養検査は重要である。尿中の肺炎球菌抗原を検出する迅速検査もある。 治療 ペニシリン系抗菌薬が有効である。 予防 脾臓摘出者や高齢者、基礎疾患を有する患者には肺炎球菌ワクチンの接種を考慮する。2種類のワクチン(多糖体ワクチンと結合型ワクチン)が存在するが、多糖体ワクチンは2014(平成26)年より65歳以上の高齢者には定期接種化されている。結合型ワクチンは小児に5年間有効とされる。2009(平成21)年10月に再接種(任意)が可能になった。 ●インフルエンザ菌肺炎 インフルエンザ菌 Haemophilus influenzae はグラム陰性の桿菌である。市中肺炎の原因として10%前後を占める。クラブナーゼも生産しないが、β-ラクタマーゼの抗菌薬耐性菌が増加傾向にあり、注意を要する。 ●モラクセラ肺炎 グラム陰性双球菌であるモラクセラ・カタラーリス Moraxella(Branhamella)catarrhalis による肺炎で、冬季に多発する。重症例は少ないが、β-ラクタマーゼ産生菌が多く、ペニシリン系抗菌薬への耐性が増加している。 ●クレブシエラ肺炎 肺炎桿菌 Klebsiella pneumoniae は好気性桿菌でグラム陰性桿菌群である。糖尿病や肝機能障害を有する者に肺炎や膿胸をおこすことがある。急性化し、重症化する場合が多い。 ●緑膿菌肺炎 緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa は自然界に広く分布するグラム陰性桿菌で、健常人の10〜20%にも常在している。病力は強くないが、基礎疾患を有する免疫機能の低下している者の肺炎の原因となる。抗菌薬に耐性を示すものが多く、治療に難渋する。 ■非定型肺炎 ●マイコプラズマ肺炎 マイコプラズマ・ニューモニエ Mycoplasma pneumoniae の飛沫感染によって起こり、成人市中肺炎の約15%を占める代表的な非定型肺炎である。基礎疾患のない若年者に多く、特徴的な乾性咳嗽をみることが多い。近年、咽頭拭い液を用いたマイコプラズマの抗原や遺伝子を検出する迅速検査が利用可能となっている。治療は、β-ラクタム系抗菌薬は無効であり、細胞壁の合成を阻害する抗菌薬は効果がない。マクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗菌薬を用いる。 ●クラミジア肺炎 肺炎をおこすクラミジアには肺炎クラミジア Chlamydophila pneumoniae
トラコーマ病クラミドフィラ Chlamydophila psittaci が知られている。動物細胞の中だけで生きるためで、一般検査室での培養は困難である。 肺炎クラミドフィラによる肺炎は成人市中肺炎の数%を占めるといわれており、飛沫やクラミドフィラに感染した鳥類糞便による。肺炎だけでなく、脳炎、髄膜炎、脾腫、肝腫大などを合併することもある。 オウム病はクラミドフィラ感染症に強く、通常は感染したトリの排泄物や分泌液、羽毛、分泌物などに存在する。人間の吸入により肺炎をおこすが、家禽やペットの鳥、オウムなどから感染する。 治療は細胞内での増殖のためマクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗菌薬が有効である。 ●レジオネラ肺炎 レジオネラ・ニューモフィラ Legionella pneumophila は細胞内寄生するグラム陰性桿菌である。潜伏期間2~4日間程度。公衆浴場、温泉などの水の系に生息しており、本菌に吸入することにより感染する。病院の空調機器や給水設備などが感染源となることもある。高齢者や基礎疾患、糖尿病、免疫低下状態、喫煙歴の危険因子として重症化しやすい。 症状は初期に咳や発熱、下痢・嘔吐などの消化器症状や意識障害を伴うことがある。尿中レジオネラ抗原の検出が診断に有用となった。 治療は細胞内で生息するのでペニシリン系・セフェム系の抗菌薬は効果がない。細胞内での増殖のためマクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗菌薬を用いる。 ●肺真菌症 真菌は健常者にも感染して発症するが、易感染性宿主(イムノコンプロマイズドホスト)への感染が中心である。肺真菌症は発症の頻度が高い。 ●肺アスペルギルス症 アスペルギルス Aspergillus 属は糸状真菌で自然界(腐った野菜や建築物の内壁、手術室など)に存在し、日常的に吸入する機会も多いため、略してアスペルギルス症は注意の可能性について考えられる。 アスペルギルス症は免疫低下状態でさまざまな炎症反応をおこし、その反応の種類によって臨床像を呈する。診断には、①喀痰塗抹検査やアレルギー検査(沈降抗体や特異的IgE抗体)、②抗原検査(ガラクトマンナン抗原)、③免疫組織化学染色、やや確実なアスペルギルスの分離や形態および遺伝子検査(PCR法、マイクロアレイ法)、④免疫能の評価などがある。慢性の経過をたどった、他検査陽性例アスペルギルス症、④免疫能の評価のため胸部、臨床像に応じた。
胸部X線検査や胸部CT検査などの画像診断により、ある程度鑑別可能である。 治療 アゾール系・キャンディン系・ポリエン系の抗真菌薬を用いる。 ●肺クリプトコックス症 クリプトコックス-ネオフォルマンス Cryptococcus neoformans は糞の黄の中に増殖し、塵を吸入することによって感染する。免疫機能の正常な健全人にも感染し、病変をつくることがあるが、免疫不全患者では重症化しやすい。 症状 発熱や咳嗽、神経系症状を併発する。 検査 組織や髄液におけるクリプトコックスの検出や抗原検査が有用である。血清中のクリプトコックス抗原の検出も診断に有用である。 治療 アゾール系の抗真菌薬を用いるが、キャンディン系の抗真菌薬は効果がない。 ●ニューモシスチス肺炎 ニューモシスチス属は真菌の一種であるニューモシスチス・ジロベチイ Pneumocystis jirovecii による肺炎である。免疫抑制剤、抗がん剤、ステロイド薬の長期投与により発症するほか、本菌は日和見感染を起こす。また、HIV感染症では細胞性免疫を担当するCD4陽性T細胞が減少され、これが200/μLを下回ると、ニューモシスチス肺炎などのさまざまな感染症を発症する。わが国では、ニューモシスチス肺炎がもっとも多く発生しているAIDS症例である。 症状 発熱、乾性の咳嗽、呼吸困難、息切れをみとめるが、身体所見に乏しいことも多い。 検査 血液検査ではβ-D-グルカンの上昇をみとめることが多い。喀痰や気管支肺胞洗浄液の染色でニューモシスチスの菌体や栄養体を検出すれば、診断は確定する。 治療 標準の抗菌薬であるST合剤を3週間投与する。呼吸不全を呈する重症例ではステロイド薬を併用する。 ●ウイルスによる肺炎 現在、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎が世界的に流行している(2021年8月時点)。 ●サイトメガロウイルス肺炎 健常人のサイトメガロウイルス cytomegalovirus(CMV)の既感染率は高く、潜伏感染していたCMVが免疫機能の低下に伴い顕在化する場合が多い。HIV感染や副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制剤(とくに臓器移植時)の使用は、発症のリスクである。 検査 臨床症状や画像所見はニューモシスチス肺炎に似ている。しばしば両者を合併することがある。肺炎以外にも食道炎、腸炎、脳炎などを合併する。顕微鏡で見る場合は、尖明するような核内封入体をもつ細胞性所見に相応する。 ウイルスの分離はむずかしく、肺炎の診断には肺胞洗浄液や組織のCMV遺
遺伝子や細胞内の核内封入体を検出する。末梢血白血球中のウイルス抗原の検出も診断に有用である。 治療 治療薬(アシクロビル、ガンシクロビル、ホスカルネット)が存在する。重症化しやすいので、本症が疑われる場合には治療を考慮する。 ●誤嚥性肺炎 誤嚥性肺炎は、嚥下機能異常によって食物や唾液に伴い逆流した胃内容物、口腔内分泌物等を気道内へ誤嚥・吸引することにより発症した肺炎の総称である。 誤嚥認識と不顕性誤嚥 誤嚥性肺炎は、顕性誤嚥(むせや咳嗽を伴う明らかな誤嚥)、夜間など自覚のない不顕性誤嚥(silent aspiration)、嚥閾期の分泌物を誤嚥する不顕性誤嚥に分けられる。高齢者の肺炎の多くは肺炎はパサパサでむせの少ない不顕性誤嚥が関与しており、入院している高齢者の約7割は夜間睡眠中に唾液を誤嚥する不顕性誤嚥を生じているとされる。 生じやすい背景 高齢者、特に寝たきり、もしくは脳血流低下の慢性疾患や認知症で咳反射などが低下している場合に多い。嚥下性疾患(パーキンソン病、認知症など)、口腔疾患(歯周病、口腔乾燥、咀嚼不全など)、咽頭や食道疾患(食道運動障害、食道狭窄、腫瘍、食道憩室、食道アカラシアなど)、睡眠時(咳反射・嚥下反射の低下)、薬物の副作用による鎮静薬、睡眠薬などがある。 嚥下機能検査 誤嚥性肺炎の診断には嚥下機能評価を行う。嚥下反射や嚥下咳反射低下機能、簡易手法(嚥下反射時間測定、アイオトープを使用した検査を施行する)。ビデオなどを用いた嚥下や咽頭反射の評価、不顕性誤嚥の検出がある。 原因 慢性疾患、脳卒中後、インフルエンザ罹患、食事中の不適切な姿勢、口腔内細菌の増加、脱水やプレウロデシスなどの影響が関与する。 また、誤嚥性肺炎は繰り返しやすく、3割程度が繰り返すといわれている。誤嚥性肺炎の治療や再発予防には、口腔ケアや嚥下訓練、食事形態の工夫や生活指導が重要となる。 治療と予防 高齢者の肺炎の原因としても、誤嚥性肺炎に適して画像と血液検査、嚥下機能評価、外科的治療を必要とする場合は嚥下機能を評価し、治療方針を決定する。 薬物療法 誤嚥性肺炎では適切な抗菌薬を用いて細菌性肺炎の治療を実施する。嫌気性菌を多く含む口腔内常在菌を想定する。