よそ25〜50%は不顕性感染である。三日はしかともよばれる。潜伏期間は14〜23日(通常16〜18日)である。 国内では2012〜2013年に16,000例をこえる風疹患者が発生し、その77%が先天性風疹症候群の患者報告に関連して2012〜2014年の3年間で45例の先天性風疹症候群患者報告があった。年齢別に見ると、20歳代後半〜40代、女性は20代に多かった。これは1962〜1989年に生まれた男性、1979〜1989年に生まれた女性が1回接種世代であることによると考えられる。免疫を獲得していない1歳児および女性が学校を考えられる。このため、妊娠可能年齢の女性や医療従事者などに対して抗体検査を行い、抗体陰性者にワクチン接種を行うことが推奨されている。妊娠中の女性にはワクチン接種は禁忌であるが、妊娠を希望する女性には抗体検査を行い、抗体陰性者には接種を勧めている。厚生労働省の調査の結果、2019年には2,306人の風疹患者が報告され、2020年には大きく減少して数十例になった。国内での風疹の患者数は減少したが、風疹ワクチンの2回接種が強く望まれる。 ■症状 全身のリンパ節腫脹、微熱がある。発疹は麻疹と同様顔面から始まり、全身に広がる。三日はしかとよばれるゆえんである。 妊婦が感染すると、胎児に先天性風疹症候群congenital rubella syndrome(CRS)を引きおこす。先天性風疹症候群ではおもにみられる病態は、白内障などの眼科疾患や、動脈管開存症などの心疾患、感音性難聴、精神発達遅滞などの神経疾患である。発症時期が妊娠12週までの場合は発症的な確率は85%にのぼるとされ、妊娠13〜16週なら54%、妊娠17〜28週なら25%にみられる。 ■診断 急性期と回復期の血清で4倍以上の抗体上昇または抗体陽性化は感染を示す。新生児で風疹特異的IgMを検出すれば、先天感染を意味する。 ■合併症 血小板減少性紫斑病(1:3,000症例)、脳炎(1:5,000症例)があるが、まれな合併症である。 ■治療 特異的な抗ウイルス療法はない。対症療法のみである。 ■予防 ヒト免疫グロブリンの投与が考慮されるが、先天性風疹症候群を予防できるという保証はない。