目的:本作の目的は、女性起業家の輩出と育成を阻んでいる構造的要因を可視化し、改善への共通認識をつくることにある。安心して挑戦できる環境を整えることで、女性が起業を現実的な選択肢として捉えられる社会をつくり、日本の起業エコシステムの持続的な成長につなげることを目指す。

背景:

起業とは本来、課題解決のための合理的な選択であるはずだ。しかし日本の起業エコシステムを注意深く観察すると、合理性よりも「慣習」や「空気」が強く作用している場面に数多く出会う。特に女性起業家にとって、その環境はフェアとは言い難い。

日本の起業界を丁寧に見ていくと、表に出ている成功事例や起業家論の多くが、無意識のうちに男性を標準モデルとして語られてきたことがわかる。一方で、女性起業家たちは実務の現場で、性差別やハラスメント、不公平な評価に直面しながらも、工夫と知恵で乗り越えてきた。その経験は、これまで個人の中に蓄積され、「個人の問題」として処理されてきた。問題の声をあげなかったんじゃない。あげても潰されてきたのだ。

本作が描くのは、起業を志した瞬間から始まる“制度外の現実”である。 事業価値ではなく属性や振る舞い、業界内の権力者のパートナー、支援者次第で業界内での活躍が決まる場面。常識の欠如が「挑戦者らしい」として誤訳され、ハラスメントは業界の暗黙の文化として承認をすることが常識、黙認できなければ非常識。会社員時代には存在したはずのコンプライアンスが、常識が、起業という言葉の前で崩れ落ちた――それらを、ユーモアをもって描く。

5年以上にわたる実体験とヒアリングをもとに、本作は女性起業家の活躍のために何が必要か、DEIの改善に向けて問いを投げかける。 ハラスメントや性差別を放置したまま、起業家の裾野は本当に広がるのか。 誰もが安心して起業に挑戦できない環境で、日本のイノベーションは持続可能なのか。

起業という選択肢を、より合理的で、より健全なものにするための「起業家漫画」である。 誰かの挑戦を支える視点を共有し、起業家のジェンダーギャップ解消へとつなげる――そのための“前提知識”として、起業家を健全な選択肢として語られる社会へ。

その可能性を信じ、希望を込めてお届けする。

あらすじ:世界を舞台に活躍することを志す起業家・主人公「起業家ちゃん」は、起業家業界に足を踏み入れた瞬間、想像を絶する現実に直面する。次々と立ちはだかる障壁を乗り越えながら、起業家ちゃんは自らの価値と信念を武器に成長していく。果たして彼女は、この業界を生き抜き、世界で通用する起業家となることができるのか。

読者想定:これから起業家を目指す人、ジェンダーギャップ解消への関心・DEIへの理解促進、起業家の業界ではないが、社会問題として起業家の業界を知りたい人へ

目次

第一章:起業家の業界ってどんなところ?

タイトル 内容/問題点
1 起業を目指す女性起業家ちゃん 起業家の魅力まとめ。実は起業を志す女性は少なくなく、その動機や背景には多様な理由が存在している。
2 無法地帯の起業家 会社員の常識が一切通用しない世界。
なぜ起業家業界ではハラスメントが生まれやすいのか、法律の不備以外の文化的理由をご紹介。
3 起業家のハラスメントはどんなもの? 一言の失言でアウト!な話ではありません。会社員でのハラスメントもなくならないのに、起業家は無法地帯で、ハラスメントもレベルが違う。直面した想像を絶すること、問題の傾向とは!?
4 人権より儲かる人が偉い世界!? 議員も芸能界も会社員ではないけれど、国民の支持が必要。世間は厳しい目で監視をする。一方起業家は成果主義が行き過ぎた先にある、ゆがんだ価値観で…
5 それってあなたの「基準」ですよね?①〜③ 会社員を経験したことがない起業家や長年起業家の業界にのみいる人も多く、気づけばルールの基準は全て「マイルール」に。研修をすれば対策は完璧!って本当ですか?…など事例3選
6 起業家はなぜ村社会? 自由でフラットな世界のはずが、
実態はまるで学校?それとも家族?親戚付き合い?
逃げ場のない人間関係に、起業家ちゃんはどう向き合うのか。
7 会社員との違い<文化編> coming soon
8 会社員との違い<制度編> coming soon
9 会社員との違い<構造編> coming soon
10 会社員との違い<収入編> coming soon
11 スタートアップって何? 投資と融資の違いって何?スタートアップとスモールビジネスの違いは?など業界を知るための言葉をご紹介