この章では、ボーカルの発声について扱います。

発声というテーマは、終わりが見えないほど広大な分野です。ここでは理論を深掘りするのではなく、録音クオリティに直接役立つ最低限のポイントだけを絞って整理します。実用音楽とボーカルレッスンの現場でよく用いられる見方をベースにしています。

もちろん私は医療の専門家ではないため、痛みがある場合は中止し、専門家への相談をおすすめします。

0. 音が出る基本原理

とても簡単にまとめると、音は次の流れで作られます。

  1. 肺から上がってきた息が声帯を通り、振動を生みます。
  2. その振動が口腔・鼻腔・顔や頭蓋骨などの空間で共鳴し、音が大きくなり、色(音色)がつきます。
  3. 舌・唇・歯・口蓋などの調音器官が動き、母音と子音が作られます。

録音に役立つ発声練習は、結局のところ、

この3つを少しずつ改善していく過程だと考えると分かりやすいです。

1. 呼吸を「下げる」

良い発声は、正しい息の吐き方から始まります。