第一話 空から落ちてきたのは、魔法使いとドラゴン?!

「ねえ。アンタたち、何者? ていうか、どこから来たの?」

小学生ぐらいの少女は、部屋の中央で固まる二人を怪訝そうな顔で見つめた。

片方は、魔法使いのような長い杖を抱えた少女――いや、外見は十代後半の若者だ。もう片方は、翼と角と尻尾を備えた少年――竜人と言うほうが近い。

床にはガラス片が散り、窓はぽっかりと大きな穴が開いている。

(ど、どうすんのよ、この状況……!)

魔法使いの少女が、隣の竜人に視線を投げた。

(どうするも何も……それよりクリスさん。この子、念話が効かないんですよ。今僕らが使ってる、相手の脳内に直接話しかける魔法)

(えっ、念話ってこっちの世界の人間には効かないの? 初耳なんだけど! じゃあどうやって話すのよ。こっちの言葉なんて、私知らないわよ?)

(それは僕も同じです!)

(ああもう! さっきアンタがちゃんと飛べてたら、人様の家の窓を突き破ることもなかったのに!)

(だって僕たちいきなり空に放り出されたんですから! 心の準備ってものが……!)

「……あのー。二人とも聞いてる?」

少女は目を細める。

「私の言葉、通じてる? てか、言葉はわかるけど、話し方はわからないって感じ?」

二人は慌てて、コクコクと頷いた。

「そっか。ええ〜面倒くさいなぁ」

少女は腕を組み、散らばったガラスと割れて大きな穴の開いた窓を見上げた。

「それにパパが帰ってくる前に、この窓なんとかしないといけないし」

少女の冷たい視線の圧に押されたのか、二人は黙ったままキビキビと動き出した。ガラス片を手早く拾い集め、近くにあったゴミ袋を裂いて何枚も繋ぎ、穴を覆っていく。