2020-12-18 Written by ももんがちゃん

**「本棚の本を紹介する Advent Calendar 2020」**18日目の記事です。

ティーンの頃に読んだ一冊を、実家の本棚から紹介します。いま手元にはありませんので、記憶を頼りに書きます。正確なところは買って読んで確かめてね。

あらすじ

紹介するのは**『九年目の魔法』(1984)。児童文学と呼ぶにはちょっと難しくて分厚い、ヤングアダルト向けの本です。作者のダイアナ・ウィン・ジョーンズ(1934-2011)は「ファンタジーの女王」**と呼ばれています。『ハウルの動く城』の原作者として有名ですね。女の子が不思議な魔法に出会う話を多く書きました。

本書も19歳の女の子が主人公です。主人公ポーリィは、ある日突然、自分の記憶が二重になっていることに気がつきます。事の起こりは9年前のハロウィン。10歳でいたずらっこだった彼女は、その日葬式をあげていた奇妙な屋敷に紛れ込み、リンさんという大人の男の人と出会います。二人はよい友人となって交流を続けるのですが、何らかの力によって、ポーリィは彼にまつわる記憶を奪われます。偽物の記憶で上書きされてしまったのです。この奪われた9年間の回想が物語の大半を占めます。

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ポーリィとリンさん

表紙がね、見てください、いいでしょう。

中央にいるのが主人公ポーリィです。彼女の10歳から19歳までの成長が本書で語られます。美しいプラチナブロンドの髪をしたかわいい女の子ですが、負けん気が強く「英雄」に憧れています。

左に(馬の頭部の右に)顔が描かれているのがリンさん。9年前にポーリィが出会った男の人。表紙の通りの丸眼鏡で、細身、猫背で、チェリスト。真面目で紳士だけど偏屈なところもあって社交はちょっと苦手。10歳のポーリィが出会った時にはすでに離婚歴のある大人でした。

このリンさん、子供のポーリィのことを大変にリスペクトしてくれて、大人の友人であるかのように対等に接してくれます。なんといっても素晴らしいのは、ポーリィにたくさんの本のプレゼントを送りつけてくるのです。