両親+兄3人の6人家族

高校入学を機に、兄たちとは正反対に“突き放すように自由を与えられた”末っ子。 外では解放感を謳歌する一方、家の中では形骸化したルールを守り続ける。 見守られなかった寂しさが、人に構われたい衝動を強めており、その矛盾が未の性格を形作っている。

家族構成と家庭のあり方

【両親】

・3人目の兄が家を出るまでは子供たちを「厳しいルールで管理」していた(お小遣いなし/お年玉全額貯金/バイト禁止 他、家事や食事など)

・3人目の兄が家を出てから、未を「もう大人だから」と突き放す

・成人祝いに渡すはずだった貯金を前倒しで一気に渡し、「あとは勝手にやりなさい」という空気を作る

・表面的には干渉しなくなったが、冷たく気を使わせる家庭の空気は変わらない

【3人の兄たち】

・全員「親の期待」を背負って育ち、家を出た時点で役目を果たしたように解放された

・未の事を可愛がっているが、家の中では親の目が厳しく、関われなかった時間が多い

【未(末っ子)】

・高校入学と同時に“解放”され、貯金を渡されてオシャレやバイトが一気に可能に

・外では自由を謳歌できるが、家の中では形骸化したルールを守り続け、気を使う生活

・「兄たちは見守られた、ボクは諦められただけ」という被差別感が心に残っている

幼少期の経験

・家のルールを守らないと「激しい叱責」や「時に暴力」も受けた

・親のルールは矛盾だらけで、従っても報われないことが多く、混乱 • 一方で、理由が説明できる事柄にだけ強い安心を覚えるようになり〈なぜそうなるのか〉を突き止める行為が自己防衛の手段として芽生えた

・また、苦痛や理不尽さに対処するために、記憶を切り落とすことで心を守るようにもなる

健忘とその習慣化