日本各地で深刻化しているシカによる農作物被害。近年では耕作地への侵入だけでなく、森林環境への影響や交通事故の増加など、社会全体にとって無視できない問題となっています。こうした状況に対して注目されているのが、シカの生態と聴覚特性を応用した 害獣撃退装置 です。特に「同時異種発声システム」を採用した最新の装置は、従来の忌避装置に比べて持続的な効果が期待できる革新的な仕組みとなっています。
シカは交尾期になると強い雄がなわ張りをつくり、一夫多妻のハーレム社会を形成します。そのため、森林環境では小さな群れをつくり、同じ場所を繰り返し利用する傾向があります。発情期を過ぎると、特に雄シカは単独で農地を徘徊しやすくなり、農作物被害を引き起こしやすい状況が生まれます。
さらに研究により、シカの可聴域は数十Hzから約30kHzまでと考えられていますが、特によく聞こえるのは200Hz~5,000Hzの範囲であることが分かっています。人と同じく10kHzを超える音にはほとんど反応を示しません。逆に、犬の吠える声、ライオンの唸り声、金属音、木の枝が折れる音など、危険を連想させる「身の危険を感じる音」には強い反応を示します。
従来の爆音や単一の警戒音を利用した忌避装置は、一時的な効果はあるものの、シカが「馴れ」によって慣れてしまい、時間とともに効果が減衰する課題がありました。
そこで弊社が採用しているのが、「同時異種発声システム」 です。これは、複数の装置から異なる種類の忌避音(苦渋音や捕食者の声など)を同時に発声させることで、シカが音源を特定できないようにし、混乱させて撃退する仕組みです。この体験はシカに強い学習効果を与え、2回目以降の侵入においても「馴れ」を防ぎ、持続的な効果を発揮します。
このシステムは、単に音を出すだけではなく、赤外線型検知装置やマイクロ波型検知装置を組み合わせ、最大30m先の害獣を検知して自動的に作動する設計です。また、スピーカーには超音波変調技術を用いた特殊な指向性スピーカーを採用し、126dB/0.3mという大音量でありながら、スピーカーの正面以外ではほとんど聞こえないため、設置場所周辺の騒音対策にも配慮されています。
この「同時異種発声システム」を搭載した害獣撃退装置は、農作物を守るだけでなく、森林保全や地域住民の生活環境保護にも大きく貢献します。従来の装置が抱えていた「短期間で効果が薄れる」という課題を克服し、長期的・持続的な害獣対策を可能にした点が大きな特徴です。
被害を繰り返すシカを追い払い、再侵入を防止するためには、単なる威嚇音ではなく「学習させない仕組み」が必要です。その答えこそが、「同時異種発声システム」を応用した害獣撃退装置といえるでしょう。
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