この記事はTOCfEアドベントカレンダー25日目のものです。TOCfEはクリティカルシンキングのツールであり、考えるためのツールです。今回はアドベントカレンダー最後の記事ということもあり、考えるということ自体に少し触れていこうと思います。

ブランチで「ワークスペースのデザインの影響」を考えてみた

最初に僕が最近TOCfEのツールを使って考えた事例を簡単に紹介したいと思います。 今回の事例は、「オンラインでのワークショップにおいてワークスペースのデザインが受講者に与える影響」について考えてみました。僕がやっているオンラインのワークショップでは基本的に受講生の皆さんはPCの画面を見ています。ワークの最中はほぼワークをするためのオンラインのホワイトボード(muralやmiroなど)を見ています。そのため、そのホワイトボード上におけるワークスペースのデザインは受講生に影響を与えると思います。そんな問題意識もあり、今回はこの題材を取り上げてみました。

結論から言うと、ワークスペースの境界線が緩やかな方が受講者自身が自分たちで好きなようにスペースを使えるので、付箋を気にせず出すことができるのかなと考えています。また、このスペースをどのように使うか?といった判断を受講者側に任せることで、自分たちでこの場を作っていくという意識も芽生えるのかなと思っています。そんなことを考えながら、ブランチ(因果関係で物事をつなぎ・理解するツール)を使ってちょっと書いてみました。

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広がり深まる理解と増える問い

このブランチを見てわかるようにまだ分析の途中です。皆さんもこのブランチを見ながら色々な疑問やツッコミが生まれていると思います。僕自身も書いている途中、書き終わった後に色々な問いが出てきました。例えば、「境界線ってなんの境界線だろう?」、『自由な発想ができる「から」雑に付箋が出るのか?」とかまさに様々な問いが出てきました。

一方で、「問いが増えた=わからないことが増えた」だから「前よりも考えたいことに対して理解ができなくなっている」というわけではありません。ここには載せてませんが、他にもクラウドを書いたりしています。ツールを使って考えたことで前よりもわかったことも増えました。また、そもそも自分が何についてまだわかっていないのかということが明確になりました。簡単に言うと「なんかわかんない」という状態から「これがわからない」という状態になりました。問いが言語化できるということは、まさに「これがわからない」とわかっていうことであり、「わからないことがわかっている」ことだと言えます。ちなみに、このことを「無知の知」と言います。

この「無知の知」は、自分が知っている・理解していることが増えると増えていきます。自分が知っていることを「既知」、自分が知らないことを「未知」として「既知」・「無知の知」・「未知」の関係を表すとこんな感じになります。