SNSの歴史
https://lab.kuas.ac.jp/~jinbungakkai/pdf/2018/p2018_01.pdf
第1象限(価値観・関係構築):同じ趣味の者どうしが集まるコミュニティ
ここの関係性は、得た情報についてコミュニケーションをするという特徴をもつ。こうした SNS の特徴は、青少年にとってもさまざまなトラブルやストレスのもとになっている。総務省が発行している青少年向けの『インターネットトラブル事例集(平成 29 年度版)』(総務省総合通信基盤局消費行政第一課青少年担当2018)には以下のような例が出ている。SNS のトーク機能で友人とやり取りをしていたら、長くなって終わるタイミングをなくしてしまい、睡眠不足になり日常生活に支障が出る。同じく SNS のトーク機能でグループトークから除外されてしまいいじめに繋がる。ネットだからバレないだろうと本人になりすまして他人がその人のふりをしてその人のアカウントから投稿してしまい、その場だけのつもりが後に大きな事件へとなっていく。これらは思春期特有の中高生の人間関係のトラブル、ストレスである。匿名性は特有のトラブルを生むが、逆に SNS に顔写真や家の付近の写真を投稿すると個人を特定されて、これもトラブルのもとになる。どこか に遠出していることを SNS に投稿したりすると、空き巣などの犯罪にあう場合もある。
第2象限(価値観・情報交換):自分が知りたい情報を得るのが目的
このエリアでは実名性よりも匿名性の方が高い。なぜならば、自身の興味関心のあることで現実の知り合いに知られたくない内容を受信したり発信したりするためである。しかし、例外はある。発信側には発信する情報に信頼性がなければならないので、その情報に携わっている有名人は実名である必要がある。
第3象限(情報交換・現実生活):企業の商戦、宣伝目的
現実生活の方向性が強い人であるため、匿名性よりも実名性が高いということである。つまり、**そこで発せられる情報はより早く拡散される。**このエリアでは、情報により強い信頼性が必要になる。現実生活に必要な商品を販売している企業はこのエリアである。
第4象限(関係構築・現実生活):有名人が知名度向上目的・知り合い同士
SNS疲れ。 SNS 疲れは、現実とは別にもう 1 つ社会を形成しているために起きている。現実には現実の社会があり、SNS には SNS の社会がある。現実の社会関係、人間関係でも疲れることがあるのに、さらにそれとは別にもう 1 つ社会関係、人間関係を築いているために SNS 疲れは起きている。SNS 疲れは他の象限でも生じるが、現実生活で付き合いのある知り合い全てが同じ SNS をしているとは限らない。そこにいないある人の陰口をたたいたとして、その人と現実社会で会うことで関係構築に問題が生じるのである。
SNS は当初パソコンからアクセスして使用するものであったが、現在ではスマートフォンから のアクセスが一般的になって、より身近なものになっている。さらには、個々人の繋がりをより強 めるものと考えられていたが、企業や有名人の戦略にまで使われるようになり、使われ方が多様に なってきている。