<aside> 💡 このページでは2兆ドルの市場成長を牽引する要因について解説していきます。

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前節にて、ブロックチェーン市場の市場規模が2兆ドルを突破し、この市場がインターネット市場に比べ5倍の成長速度で成長していることを説明しました。本節では、その市場成長を牽引するBTCについて解説していきます。

Factとしての市場規模や市場の成長速度のトレンド感だけ理解しておけば十分ということであれば読み飛ばしていただいて構いません。

2兆ドルの暗号通貨市場はBTCが牽引する形で成長してきた

2021年末のデータにはなりますが、暗号通貨の市場規模TOP30銘柄の内の市場シェア率を見ると、シェア率No.1はBTC、年初のシェアは7割、年末にかけて徐々にシェアは減少しましたが5割をBTCが占めています。つまり、市場全体におけるBTCの影響力は大きく、2兆ドルの巨大な暗号通貨市場はBTCが牽引する形で成長してきました。

そして、徐々にBTCのシェア率は徐々に落ちつつあり、Bitcoinを入り口として入ってきた資金が次点でシェア率の高いEthereumなどの他のブロックチェーンに流れていっているというのが現在のトレンドです。

CoinGecko, 2020年末時点でのTOP30銘柄の市場シェア推移 ‣

CoinGecko, 2020年末時点でのTOP30銘柄の市場シェア推移 ‣

Bitcoin Networkが成長し、市場規模が大きくなっていくに従って関わる人間の数も増え、他のNetworkも成長していったという経緯がありますので、なぜBitcoin Networkがこの規模まで成長できたのか、その謎に迫るためにBitcoinのプロトコル(仕組み)をみていきましょう。

Bitcoinの基本プロトコル

まず前提として、「プロトコル」とは、共通のルールのことです。インターネットのTCP/IPやwwwのような世界共通のプロトコルがあるからこそ、世界中の人間がインターネットを利用することができています。ここでは、世界共通で不変のルールという意味で「プロトコル」というコトバを用いています。

また、本書ではBTCとBitcoinの表記は意識して表記していきます。一般的に、Bitcoinはビットコインを形成するネットワークや仕組みのことを指し、BTCは通貨としてのビットコインを指すことが多く、カタカナで「ビットコイン」と書いてしまうとどちらかわからないためです。

さて、説明が長くなりましたが、ここからBitcoinのプロトコルの話をしていきます。

1.1にて、ブロックチェーンはコピー禁止の技術。コピー禁止技術により、デジタルデータに希少性が生まれ、希少性の高いデジタルデータは資産資産として認められ始め、その代表例がBTC[ビットコイン] という説明をしました。

BTCの総供給量は2,100万枚と決められており、コピー禁止技術により模造品を作ることが難しいため、コピーして増やしたら確実にバレてしまいます。また、人に譲渡すると自分のものがなくなってしまうという物理的な特性を持ちます。デジタルデータなのに変な感覚ですよね。

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図に書いたような特徴をプログラムに書き込み、コピー禁止技術によって、世界共通で不変のプロトコルを生み出した。というのがFactなのですが、どうやってそのプロトコルを実現しているかを見ていきます。

Bitcoinを構成する要素技術